Nature ハイライト

Cover Story:衝突実験:探査機DARTの衝突による小惑星の衛星の軌道変化

Nature 616, 7957

今のところ、地球を脅かす小惑星は知られていないが、そうした天体との衝突に対する地球防衛戦略が探られている。2022年9月26日、米国のNASAとジョンズホプキンス大学応用物理学研究所は、そうしたアプローチの1つの検証に成功した。「二重小惑星進路変更実験(DART)」ミッションの探査機を、小型の小惑星ディディモスを周回する衛星であるディモルフォスに意図的に衝突させ、その結果、この衛星の軌道が変わったのである。今週号では、5報の論文でこの試験と衝突の影響が調べられている。最初の論文では、この衝突が再構築され、2報目では、衝突によって生じたディモルフォスの軌道の変化が調べられている。3報目では、ハッブル宇宙望遠鏡による、衝突時に放出された物質の観測結果が報告されている。4報目では、モデリングを用いて、衝突に起因する運動量の移動の特性が評価されている。そして最後の論文では、衝突前、衝突中、衝突後における市民科学者による観測の結果が報告されている。

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