Nature ハイライト

脳：引きに恵まれて生き残る

2006年8月24日 Nature 442, 7105

哺乳類成体の脳では新しいニューロンが継続的に追加されているが、これが脳の機能にどう影響するのかはよくわかっていない。田代歩たちは、新たな単一細胞レベルの遺伝子ノックアウト技術を開発し、新生ニューロンがシナプス入力に依存して選択されて生き残ることを示した。これは、記憶や学習に際して、新たに一貫性のある神経回路が作られる機構を示しているのかもしれない。p.xixの画像は、レトロウイルスを使って緑色蛍光タンパク質を発現させて、成熟後海馬歯状回の新生ニューロンを可視化したものである。歯状回顆粒細胞層とCA3錐体細胞層は、NeuNの免疫染色で赤色に見えている。