Nature ハイライト 細胞:映画はもう見た? 2006年8月31日 Nature 442, 7106 ショウジョウバエの幼虫の唾液腺には巨大な多糸染色体が含まれており、この染色体の特徴的な縞模様は光学顕微鏡でも容易に見ることができる。通常こうした染色体は、核を破壊して染色体を平面上に「広げて」観察する。だが二光子レーザー走査顕微鏡を使えば、生きた唾液腺組織中の染色体の三次元画像をリアルタイムで調べることができる。p.ixの図は、多糸染色体を含む核の3D-再構成画像で、熱ショック前(上)と熱ショック後(下)を示し、DNAは赤色、GFP標識転写因子HSFは緑色に見える。この手法によって、DNAとモデル転写因子との相互作用の動的性質が明らかになった(動画はp.1050のSupplementary Information参照)。また、Nalleyたちは、別の手法を用いて、転写因子Gal4の動態について同様の結論に達している。 2006年8月31日号の Nature ハイライト 遺伝:植物が子孫に伝えるもの 生物物理:鞭毛回転の秘密に迫る 免疫:マスト細胞と移植拒絶 細胞:適時に適所へ送る方法 宇宙:超新星とX線フラッシュの関係 分光学:NMRでスナップショット 地球:拡大する海嶺下のマグマだまりを見る 脳:ギャンブルするならドーパミン 細胞:映画はもう見た? 目次へ戻る