Nature ハイライト 免疫:マスト細胞と移植拒絶 2006年8月31日 Nature 442, 7106 マスト細胞は免疫系の重要な構成要素で、アナフィラキシーや喘息などのアレルギー反応での応答細胞としての働きが最もよく知られている。最近の研究では、マスト細胞が自然免疫と適応免疫の両方で免疫調節性細胞として機能すると考えられるようになった。また、その遺伝子発現プロファイルからは、移植組織に対する免疫寛容にもかかわっているという意外なことも指摘されている。今回マウスを使って、マスト細胞が免疫抑制において重要な役割を果たしており、調節性T細胞に依存する末梢での免疫抑制に必要とされることが確認された。これはまた、インターロイキン-9(IL-9)が活性化T細胞とマスト細胞動員の間をつなぐ役割をもっていることを意味しており、IL-9、マスト細胞およびその免疫に関連する遺伝子産物は移植拒絶を防ぐ薬剤の標的となると考えられる。 2006年8月31日号の Nature ハイライト 遺伝:植物が子孫に伝えるもの 生物物理:鞭毛回転の秘密に迫る 免疫:マスト細胞と移植拒絶 細胞:適時に適所へ送る方法 宇宙:超新星とX線フラッシュの関係 分光学:NMRでスナップショット 地球:拡大する海嶺下のマグマだまりを見る 脳:ギャンブルするならドーパミン 細胞:映画はもう見た? 目次へ戻る