Nature ハイライト

免疫:マスト細胞と移植拒絶

Nature 442, 7106

マスト細胞は免疫系の重要な構成要素で、アナフィラキシーや喘息などのアレルギー反応での応答細胞としての働きが最もよく知られている。最近の研究では、マスト細胞が自然免疫と適応免疫の両方で免疫調節性細胞として機能すると考えられるようになった。また、その遺伝子発現プロファイルからは、移植組織に対する免疫寛容にもかかわっているという意外なことも指摘されている。今回マウスを使って、マスト細胞が免疫抑制において重要な役割を果たしており、調節性T細胞に依存する末梢での免疫抑制に必要とされることが確認された。これはまた、インターロイキン-9(IL-9)が活性化T細胞とマスト細胞動員の間をつなぐ役割をもっていることを意味しており、IL-9、マスト細胞およびその免疫に関連する遺伝子産物は移植拒絶を防ぐ薬剤の標的となると考えられる。

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