Nature ハイライト 分光学:NMRでスナップショット 2006年8月31日 Nature 442, 7106 核磁気共鳴(NMR)法は、NMRイメージングからタンパク質構造研究に至るまで幅広い用途に使用されている。通常これらの用途では、サンプル外部のバルク磁場が測定される。したがって、小さな磁石として働く特定原子核からのNMRシグナルは普通は明らかにならないので、サンプルについてのこういう大事な情報を探り出すには複雑な方法が必要となる。今回プリンストン大学の研究グループが、単にサンプル中に光を通して「原子磁石」が引き起こす偏光回転を測定するだけで、液体のNMRシグナルを検出できることを明らかにした。この新しい検出方法では、核磁気のいわば「スナップショット」を撮ることができるため、複雑な化学物質中で色などの光学的特性を生み出す原子がどれかを調べることも可能になりそうだ。 2006年8月31日号の Nature ハイライト 遺伝:植物が子孫に伝えるもの 生物物理:鞭毛回転の秘密に迫る 免疫:マスト細胞と移植拒絶 細胞:適時に適所へ送る方法 宇宙:超新星とX線フラッシュの関係 分光学:NMRでスナップショット 地球:拡大する海嶺下のマグマだまりを見る 脳:ギャンブルするならドーパミン 細胞:映画はもう見た? 目次へ戻る