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Nature ハイライト

気候：2つの海のエルニーニョ

Nature 443, 7109

「大西洋エルニーニョ」は、エルニーニョ型の熱帯東部太平洋表層水温度変動に似た気候パターンである。大西洋エルニーニョは、大西洋の気候に重要な影響を及ぼすことが知られており、よりよく知られている太平洋エルニーニョによって推し進められるのだろうと考えられているが、現在の予測能力は十分ではない。太平洋エルニーニョのほうは、現行の大気海洋結合気候モデルを用いて1ないし2シーズン前に予測可能なのだから、これは非常に不可解である。新たな研究で、大西洋エルニーニョの予測が困難な原因は、赤道大西洋の海洋・大気間の局地的な相互作用が、太平洋エルニーニョの及ぼす遠隔作用と干渉し相殺するためであることが示唆された。この結果から、結合気候モデルではこの2つの競合する過程をシミュレートするだけでなく、それぞれの相対的な強さや拮抗する干渉作用も予測しなければならないという、さらに厳しい要求が課されることになる。

2006年9月21日号の Nature ハイライト

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