Nature ハイライト 医学:日焼けで腫瘍を予防する? 2006年9月21日 Nature 443, 7109 色白な人は皮膚がんのリスクが高く、日焼けに対する反応が弱いことが多い。D'Orazioらは、「色白」と関係のある、メラノコルチン1受容体をコードするMc1r遺伝子を使って、遺伝学的に皮膚が「色白」となるマウスモデルを作り出した。こうしたマウスで、紫外線が誘発する色素沈着(日焼け)にメラニン細胞刺激ホルモンのケラチノサイトでの発現がかかわっていることが明らかになった。メラノコルチン1受容体によるシグナル伝達の亢進とそっくりの効果がある小分子を、「色白」マウスに局所投与して「太陽なしの日焼け」を誘発すると、色素沈着が促進されて、DNA損傷とがん発生を防ぐのである。 2006年9月21日号の Nature ハイライト 化石:砂漠の記憶 医学:眠れぬ夜のパートナー 医学:肥満のルーツ 宇宙:揺ぎ始めた宇宙の標準光源 医学:日焼けで腫瘍を予防する? 気候:2つの海のエルニーニョ 気候:GRACEが告げるグリーンランドの氷量減少 材料:空室あり 発生:ついに見つかった血管芽細胞 医学:HIVと免疫 目次へ戻る