Nature ハイライト 物理:キュービットにかける期待 2007年2月1日 Nature 445, 7127 共振器量子電磁力学では、原子や量子ドットを単一光子と強く相互作用させる。最近の研究で、「強く結合した」状態を作ることが可能になり、この状態では単一光子が何度も吸収再放出されることが示された。Schusterたちは、特殊なタイプの共振器量子電磁力学系を作り上げた。この系は電子回路に組み込まれていて、回路中で超伝導量子ビット(キュービット)が、マイクロ波伝送路を通ってやってきた光子と相互作用する。この系では、新しい状態、つまり強分散極限が生じ、光子は吸収されることなくキュービットに強い効果を及ぼす。この結果は、共振器中に存在する光子数の非破壊測定への道を開くものだ。この効果は、量子コンピューティングに必要な光子キュービットの制御論理演算の基礎として使える可能性がある。 2007年2月1日号の Nature ハイライト 論説:21世紀の科学は社会科学? 生態:アマゾン生態系を緊急救出 植物:気孔が作られる機構 細胞:線の末端 宇宙:大気を大量に放出する惑星 化学:マクスウェルの悪魔とはり合う 物理:キュービットにかける期待 細胞:痛みセンサーで危険を察知 発生:前方へと送る 目次へ戻る