Nature ハイライト 細胞:線の末端 2007年2月1日 Nature 445, 7127 線状染色体の末端に存在するテロメアは、そこに結合するさまざまなタンパク質によって保護されており、繊毛虫類のTBPα/βはそうしたタンパク質の1つである。ヒトにはTBPαの相同体であるPOT1があるが、TBPβは繊毛虫類以外では見つかっていなかった。今回、2つのグループが別々に、なかなか見つからなかったヒトのTBPβ相同体がTPP1であることを明らかにした。ほかのテロメア結合タンパク質とは異なり、POT1-TPP1複合体は意外にも、テロメアDNAに結合してもテロメラーゼ活性を阻害しない。その代わり、テロメラーゼ活性と伸長能、つまりテロメラーゼのコア酵素によるヌクレオチド伸長速度を上昇させるのである。 2007年2月1日号の Nature ハイライト 論説:21世紀の科学は社会科学? 生態:アマゾン生態系を緊急救出 植物:気孔が作られる機構 細胞:線の末端 宇宙:大気を大量に放出する惑星 化学:マクスウェルの悪魔とはり合う 物理:キュービットにかける期待 細胞:痛みセンサーで危険を察知 発生:前方へと送る 目次へ戻る