Nature ハイライト
Cover Story:南極の生物多様性:明らかになってきた南大洋動物相
Nature 447, 7142
南極大陸棚に生息する海洋生物については多くのことがわかっているが、南極大陸周縁の深海域についてはほとんど調べられていない。この欠落を補うために立てられたのがANDEEP計画である。学術調査船ポーラーシュテルン号によるウェッデル海での3回の試料採集航海から、南大洋の生物多様性の規模やパターンがこれまでよりもはっきりしてきた。これらの調査航海で、従来型の試料採取法とビデオ撮影や最新の分子生物学的手法とを併用して得られたデータをまとめた論文が、今週号に掲載されている。この新しい成果によって、南極深海の重要領域に生息する生物の解明が大きく進み、多数の新種も見つかった [Letter p.307; www.nature.com/podcast]。表紙は、パウエル海盆中央域の水深1,955 mのところで堆積物プロファイルカメラ(sediment profile camera)により撮影された直径5 cmのウニ(in situ撮影、写真:Robert J. Diaz)。
2007年5月17日号の Nature ハイライト
神経:タンパク質と取り組むSUMO
疫学:ヒト病原体は多くが動物起源
医学:病原性獲得へのパスポート
宇宙:潮汐作用にとらえられたエンセラダス
物理:シリコンによるスピントロニクスの実現
発生:繁栄の種子
発生:けがで毛が再生
医学:ヘルペスウイルスの功罪
医学:細胞極性を乱すピロリ菌毒素