Nature ハイライト 発生:けがで毛が再生 2007年5月17日 Nature 447, 7142 哺乳類の毛嚢は発生期間中にしか新たに形成されないと考えられており、成体になってから失われた毛嚢は永久に戻らないと見なされている。50年前に、BillinghamとRusselがNature誌でウサギの皮膚での毛の新生について報告しているが、この結果はその後、信頼性が低いとして無視されてきた。しかし今回、成体マウスの皮膚で創傷によって毛嚢の再生を誘導できることがわかり、この問題が再考されることになった。今回の結果は、哺乳類の皮膚が創傷に対して、これまで考えられていたよりも大きな可塑性と高い再生能力をもって応答することを示唆しており、創傷治癒や組織再生、幹細胞機能の研究にもかかわってくる。 2007年5月17日号の Nature ハイライト 神経:タンパク質と取り組むSUMO 疫学:ヒト病原体は多くが動物起源 医学:病原性獲得へのパスポート 宇宙:潮汐作用にとらえられたエンセラダス 物理:シリコンによるスピントロニクスの実現 発生:繁栄の種子 発生:けがで毛が再生 医学:ヘルペスウイルスの功罪 医学:細胞極性を乱すピロリ菌毒素 目次へ戻る