Nature ハイライト 発生:繁栄の種子 2007年5月17日 Nature 447, 7142 被子植物が大いに繁栄している要因の1つは、胚が内乳というもう1つの受精産物と共に発生することだろう。内乳の進化的起源の説明として2つの対立する説が100年以上前に提起され、それ以来、この問題に関して植物発生学界の意見は二分された状態にあった。Nowackたちは今回、その2つのうちEduard Strasburgerという高名な植物学者の説を支持する新たな証拠を示している。内乳が両親に由来する三倍体ではなく、母親に由来する二倍体となっている変異シロイヌナズナの種子が、生存可能な植物体に育つ能力をもつことがわかったのである。これは、雌性生殖構造体が内乳の起源であることを意味しており、両親のどちらに由来するかによって対立遺伝子の発現の可否が決まるゲノムインプリンティングの必要性に異を唱えるものである。 2007年5月17日号の Nature ハイライト 神経:タンパク質と取り組むSUMO 疫学:ヒト病原体は多くが動物起源 医学:病原性獲得へのパスポート 宇宙:潮汐作用にとらえられたエンセラダス 物理:シリコンによるスピントロニクスの実現 発生:繁栄の種子 発生:けがで毛が再生 医学:ヘルペスウイルスの功罪 医学:細胞極性を乱すピロリ菌毒素 目次へ戻る