Nature ハイライト

進化:クジラ類の祖先

Nature 450, 7173

クジラ類の進化の最初の1,000万年については化石記録からかなりわかっているが、祖先にあたる陸上動物からの分岐については、まだよくわかっていない。新たな研究によって、インドで化石の見つかった小型の原始的偶蹄類であるラオエラ科(Raoellidae)動物が、調べられた限りで初期のクジラ類に最も近い仲間であることが示された。ラオエラ科のIndohyusは、耳と小臼歯の構造、骨の密度、それに歯の同位体組成がクジラ類に近く、他の偶蹄類とは異なっている。こうした指標は、このアライグマ大の動物が一生の多くの時間を水中で過ごしていたことを示唆している。しかし、一般的なラオエラ科動物はおよそクジラらしくない食餌を摂取していたことから、水中に入っていったのは水中生活そのものの魅力によるのではなく、食餌の変化によるものであった可能性がある。

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