Nature ハイライト

細胞:Nanogの機能を見直す

Nature 450, 7173

転写因子Nanogは、胚性幹細胞に多能性という独特な性質を与える主な要因であることが2003年に明らかにされた。Nanogはケルト神話のTir nan Og(常若の国)にちなんで命名されたもので、幹細胞が分化可能性を維持しながら増殖するために必要であると考えられてきた。だが今回、マウスの胚性幹細胞を用いた新たな研究は、事態がこれとは異なることを示唆している。実際は、Nanogは多能性の維持に必須ではない。Nanogの量は増減するが、遺伝子発現における二者択一の選択状態を妨害または逆転させることにより、多能性状態を安定させているらしい。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度