Nature ハイライト 聴覚:聴いて覚える 2008年1月17日 Nature 451, 7176 霊長類にみられる「ミラーニューロン」は、他者の行動を模倣したりなぞったりすることを可能にしている。そうしたニューロンは、特定の動作(例えば手ぶり)を行ったときにも、それが行われるのを見たときにも発火する。模倣のよい例が、ヒトの発話や鳥のさえずりの音声学習である。これは明らかにミラーニューロンの仕事のように思われるが、今までのところ聴音-発声にかかわるミラーニューロンの報告はない。今回、歌のレパートリーを学習するのに聴音経験が必要という点でヒトと似ている鳴禽類ヌマウタスズメでの研究で、聴音-発声のモニター機能に特化した一群の前脳ニューロンが同定された。これらのニューロンは、ある音列に対して、それを自身がさえずったときにも、あるいは他の鳥のさえずりとして聴いたときにも、ほぼ同一の応答を示した。 2008年1月17日号の Nature ハイライト 聴覚:聴いて覚える 物性:非線形ファノ効果 化学:進展するウランの化学 ナノテクノロジー:DNAで前進する 海洋学:海洋の酸素生産 医学:慢性疼痛治療の新たな標的 目次へ戻る