Nature ハイライト Cover Story:黒色腫幹細胞:抗体によって攻撃可能なヒトがん発症因子 2008年1月17日 Nature 451, 7176 がん幹細胞は、数種のヒト腫瘍から分離されている。最も新しい例が、ヒト悪性黒色腫を生じる細胞の亜集団であり、これらの細胞は化学療法剤耐性メディエーターであるABCB5の発現により同定される。ABCB5+亜集団の大きさは黒色腫患者の臨床症状の進行と相関しており、また予備的な結果から、ABCB5に対する抗体がこれらの黒色腫幹細胞を特異的に標的とすることも示唆されている。これは黒色腫に対する有力な治療戦略となると考えられ、この種の細胞の研究は、がんの生物学における重要な問題の解決を助けることになるだろう。表紙は、ハイブリッド黒色腫細胞で、蛍光顕微鏡像を重ね合わせ、コンピューター処理したもの。この細胞は、in vivoでABCB5+黒色腫幹細胞ともっと分化の進んだABCB5−腫瘍細胞との融合によりヒト腫瘍異種移植片内で生じたものである。各々の細胞の核は、遺伝子にコードされた赤色(DsRed)と緑色(EYFP)の蛍光色素で標識されている。 2008年1月17日号の Nature ハイライト 聴覚:聴いて覚える 物性:非線形ファノ効果 化学:進展するウランの化学 ナノテクノロジー:DNAで前進する 海洋学:海洋の酸素生産 医学:慢性疼痛治療の新たな標的 目次へ戻る