Nature ハイライト

細胞:p53とmiRNAのつながり

Nature 460, 7254

がん抑制因子p53は、増殖抑制作用をもつ多くの標的に転写アクチベーターとして作用することがよく知られており、p53の機能崩壊は大半のがんの発生時にみられる基本的現象である。マイクロRNA(miRNA)はがんの抑制にかかわる重要な因子であることがわかってきているが、今回、p53とmiRNAの間に意外な結びつきがあることが明らかになった。転写調節という役割とは全く別の相互作用において、p53はmiR-16-1、miR-143、miR-145などの増殖抑制作用をもつmiRNAの転写後成熟をDNA損傷に応じて促進する。このことは、miRNAの生合成を調節するp53の働きが、そのがん抑制機能に寄与している可能性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度