Nature ハイライト 免疫:M細胞による免疫 2009年11月12日 Nature 462, 7270 粘膜免疫系は、粘膜表面を病原体から守るのに主要な役割を果たしているが、共生細菌叢の定着にも大きくかかわっている。粘膜免疫応答を誘導するためには、粘膜表面上の抗原はまず不透過性の上皮障壁を横断して、パイエル板などのリンパ構造の中へ入らなければならない。この抗原トランスサイトーシスとよばれる働きは、パイエル板の特殊化した上皮細胞であるM細胞によって主に行われていると考えられている。抗原トランスサイトーシスの機序の研究から、小腸M細胞の管腔側に発現しているglycoprotein 2という糖タンパク質が、FimH抗原を発現している細菌に対するトランスサイトーシス受容体であることが明らかになった。M細胞は経口ワクチンの有望な標的と見なされており、この研究は、glycoprotein 2に依存するトランスサイトーシスがワクチンの標的となりうることを示している。 2009年11月12日号の Nature ハイライト 薬学:古い薬の新しい標的 細胞:ノッチ複合体の阻害剤 宇宙:太陽リチウムを探す 物性:グラフェンの分数量子ホール効果 気候:予想ほど暖かくなかった始生代の海洋 細胞:言語の進化 免疫:M細胞による免疫 細胞:コヒーシンのアセチル化 目次へ戻る