Nature ハイライト

宇宙:太陽リチウムを探す

Nature 462, 7270

年齢、質量、組成が太陽と同じような恒星にはリチウムが存在するが、その量には大幅な変動がみられる。しかし、その理由を説明することは難しい。太陽自体の表層中のリチウム存在量は、原始太陽系のそれに比べて140分の1という少なさである。しかし、太陽表面の対流層は内部深くまで広がっておらず、リチウムが燃焼するのに十分なほど熱くなってはいないと考えられている。今回、太陽類似星で惑星が検出されているものといないものについての新たな探査から、太陽の失われたリチウムの謎を解くカギが惑星にある可能性が示唆された。惑星をもつ星のリチウム存在量は、原始リチウム量の1%以下である。一方、惑星が検出されていない星のリチウム存在量はもっと変動が大きく、原始リチウム量の約10%に当たる量をもつ星は全体の半数程度である。原始惑星の存在によって恒星円盤中で混合が進み、リチウムは自身が壊れるのに十分なほどの高温の内部領域に到達した可能性がある。

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