Nature ハイライト

医学:乳腺幹細胞を制御する

Nature 465, 7299

卵巣ホルモンのエストロゲンおよびプロゲステロンは、思春期の始まりから閉経期までの間、乳腺で複雑な一連の相互作用をし続ける。乳腺でのこうしたホルモン変動の多くは細胞増殖と関連があり、異常が生じた場合には乳がんを発生させる可能性がある。今回、マウスの乳腺幹細胞(MaSC)の機能にエストロゲンおよびプロゲステロンが及ぼす作用を調べた2つの研究が共に、MaSCがステロイドホルモンシグナル伝達に高い応答性を示すことを明らかにした。卵巣摘出または遮断薬によって両方のホルモンを作れなくした未交尾マウスでは、MaSCの数が減少するが、エストロゲンおよびプロゲステロンの投与によって増加することがわかった。そして両方の研究が、RANKLがプロゲステロンに対するMaSCの応答を仲介していると考えている。RANKLはプロゲステロンの作用標的の1つで、骨のリモデリングや乳腺の形成に関与している。

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