Nature ハイライト 進化:鰭から四肢への移行 2010年7月8日 Nature 466, 7303 四肢動物の四肢の進化における重要な一歩は、魚類の鰭にみられる鰭条と鰭褶の特徴的な周辺領域の消失だった。M-A Akimenkoたちは今回、これらの特徴に必須の構造成分として、ゼブラフィッシュで2つの新規のタンパク質アクチノジン(actinodin) 1と2を同定した。actinodin遺伝子群は、複数の硬骨魚やゾウギンザメなどほかの魚類でも見つかっているが、四肢動物には存在しない。ゼブラフィッシュでactinodinの機能を実験的に消失させると、アクチノトリキア(actinotrichia)とよばれる原繊維が消失し、四肢動物の肢芽の特徴をもった胸鰭原基が形成される。これらのデータは、進化の過程で起こった鰭から四肢への形態変化を、アクチノトリキア原繊維の消失によって部分的に説明できる可能性を示唆している。 2010年7月8日号の Nature ハイライト 神経:抗嗜癖マイクロRNA 宇宙:S26星雲に隠されたパワー 気候:農業が埃を増やす 考古:更新世前期の北ヨーロッパ人 進化:鰭から四肢への移行 遺伝:ユダヤ人の系譜 発生:胚の成長の制御 細胞:遺伝子内のメチル化 細胞:細胞間に働く力を測定する 目次へ戻る