Nature ハイライト 細胞:遺伝子内のメチル化 2010年7月8日 Nature 466, 7303 DNAのメチル化は、遺伝子発現への作用を通して、細胞固有の性質の維持に重要な役割を果たしている。5′プロモーターのメチル化は遺伝子発現を抑制することが知られているが、遺伝子内DNAメチル化(遺伝子の本体内部に生じたメチル化)の役割はそれほど詳しく研究されておらず、いまだに結論が出ていない。ヒト脳のDNAメチル化地図が、次世代シーケンシング法を使って、これまでにないほどの被覆度で作製された。この地図を脳組織のヒストンメチル化を調べるChIP-seq法と組み合わせ、マウスとヒトでの遺伝子発現を調べることにより、遺伝子内メチル化が遺伝子本体の内部にある組織特異的プロモーターの調節に重要な役割を果たしていること、5′プロモーターで果たす役割が小さいことが明らかになった。 2010年7月8日号の Nature ハイライト 神経:抗嗜癖マイクロRNA 宇宙:S26星雲に隠されたパワー 気候:農業が埃を増やす 考古:更新世前期の北ヨーロッパ人 進化:鰭から四肢への移行 遺伝:ユダヤ人の系譜 発生:胚の成長の制御 細胞:遺伝子内のメチル化 細胞:細胞間に働く力を測定する 目次へ戻る