Nature ハイライト

神経:抗嗜癖マイクロRNA

Nature 466, 7303

長い間コカインを摂取し続けると、脳の構造や機能に複数の変化が生じる。これらは強迫的な薬物探索行動につながる可能性があるが、この過程を調節する機構は明らかになっていない。今回、ラットでの実験から、強迫的なコカイン探索行動の発症の支配に、線条体のマイクロRNAが重要な役割を担っていることが明らかになった。マイクロRNAのmiR-212はコカイン探索行動を低減するが、これがみられるのはコカイン摂取を長期間続けたラットだけで、薬物依存のないラットでは認められなかった。miR-212は、転写因子CREBの活性増幅によって作用するらしいが、CREBはコカインの報酬効果の調節因子であることが知られている。この研究から、非コードRNAの作用を調節する物質が、薬物嗜癖を回復させる効果をもつ可能性が出てきた。

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