Nature ハイライト 地球:岩石に刻み込まれたアルカリ度 2010年6月17日 Nature 465, 7300 火山噴火の間に放出された二酸化硫黄は、酸化されて硫酸塩となり、硫酸塩エアロゾルを生成することがある。これは、地球の放射収支に影響を与える可能性がある。Baoたちは、岩石記録に保存された大気中の硫酸塩の硫黄同位体と3酸素同位体の測定を用いて、硫酸塩が形成された特異的酸化経路を調べた。7回の噴火に関連する硫酸塩エアロゾルの堆積が、新生代中期(3,400万〜700万年前まで)に北米のハイプレーンズ北部で起こったことがわかった。堆積物にみられる同位体的に別個の硫酸塩は、対流圏におけるオゾン支配型の二酸化硫黄酸化が支配的なアルカリ性の雲水中でのみ生成されたのだろう。このことから、新生代中期には、この領域の雲水は現在の弱酸性状態とは対照的にアルカリ性であることが多かったと考えられる。 2010年6月17日号の Nature ハイライト 宇宙:KBO 55636を見直す 物性:磁気電気スカーミオン 物理:究極の波束制御法 地球:岩石に刻み込まれたアルカリ度 進化:低速レーンに乗るタンパク質 医学:全身性エリテマトーデスでコルチコステロイドの効果を増す 細胞:終止コドンがタンパク質生合成を終わらせる仕組み 目次へ戻る