Nature ハイライト

生理:小刺激に対する細菌の反応

Nature 468, 7325

アインシュタインはブラウン運動を研究している間に、静止している物質の分子のランダムな運動は、その物質中を押されて動く粒子に及ぼす抵抗なども変化させるはずだと考えるようになった。これは後に、揺動応答定理(fluctuation-response theorem)として一般化された。しかしながら、これが平衡とははるかにかけ離れた状態にある生きた細胞にも当てはまるのかどうかという問題は、未解決のままだった。Parkたちは今回、細菌の化学走性の研究で可能になった精密な測定法を使って、単一細胞の挙動の一時的な揺動(ノイズ)と、その細胞の外部刺激に対する応答との関係に、揺動応答定理がまさしく当てはまることを明らかにしている。この研究ではまた、生化学ネットワークのどういう性質が、ネットワークの内部状態と外部刺激に対する応答とを結びつけているのかを決定する方法も示唆されている。

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