Nature ハイライト
Cover Story:砂時計の形状:発生過程における収斂がゲノミクスにより確証され、初期発生学の古典的概念が「アップデート」された
Nature 468, 7325
近縁の生物種では、発生の中期に胚が似た形態に収斂して、その後にまた分岐していく。これは「発生の砂時計」として知られている現象である。この砂時計モデルはKarl Ernst von Baerの古典的な観察に基づくもので、後に、ドイツのダーウィン擁護者であるErnst Haeckelによって広く知られるようになった。しかし、このファイロティピック段階は本当に存在するのだろうか。2組の研究グループが対照的な手法を使ってこのモデルの検証を行った結果、その裏付けが得られた。ファイロティピック段階で発現する遺伝子は、ほかの段階で発現する遺伝子と比べると進化的に古く、またすべての属で高度に保存されていた。表紙は、Haeckelの1879年のスケッチを、ショウジョウバエの胚形成の間の遺伝子発現パターンに関する数千枚の画像を使って再構築したもの(Letters pp.811, 815, N&V p.768)。
2010年12月9日号の Nature ハイライト
構造生物学:ラッサ熱ウイルス核タンパク質の構造
構造生物学:リボザイムであるRNアーゼPの構造を調べる
生化学:本当に重要なシステインを見つけ出す
宇宙:宇宙の再イオン化を見直す
物理:原子の運動を観察する
地球:地球のコアで上昇中の軽元素
生理:小刺激に対する細菌の反応
細胞:自前の血管を作り出す腫瘍細胞
細胞:リン脂質のスクランブル