Nature ハイライト

物理:光子の共同作業

Nature 429, 6988

光の粒子(光子)数個を一組にすることで、より高密度に詰め込まれた情報を、例えばCDなどから読み出せるようになった。この成果は、絡み合い、すなわち量子の世界に固有の性質を利用している。 CDのピットと呼ばれる凹みが光の波長の半分以下である場合、レーザー光はピットから情報を通常は読み出せない。この物理的な障壁を「回折限界」と呼ぶ。 3個の光子を絡み合わせることで、M W Mitchellたちはこの限界を克服できることを今回示した。P Waltherたちは同じ結果を4個の絡み合った光子で実現し、回折限界を光の波長の1/4まで下げた。絡み合った光子は、あたかも1個の光子の3倍あるいは4倍のエネルギーを持つ単一体であるかのごとく振る舞うようになる。 「安全なデータ伝送システム、高分解能の光学的な読み出し装置や記憶装置そしておそらく量子計算でも、絡み合った光子の商業分野への応用を実現するのはもはや夢ではないだろう」とD BouwmeesterがNews and Viewsで述べている。

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