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生態:絶滅の予測は一筋縄ではいかない

Nature 429, 6988

生態系が人間の仕業で損なわれたとき、いったいどれだけの生物種が絶滅してしまうのだろうか。これを予測することは思ったよりずっと難しいらしい。最初に起こった絶滅によって、他の種のさらなる死滅が防げることもあれば、さらに被害を受けやすくなることもありうるというのだ。 この研究結果から考えて、生物保全活動は個々の絶滅危惧種に対し重点的に行うのではなく生態系全体を対象に行うべきだと、A R IvesとB J Cardinaleは主張している。 Ivesたち2人はコンピューターモデルを使い、乱された生物群集がどう振る舞うかを調べた。そして、損傷を受けた生態系には2つの相反する力が働くことを見つけた。まず、弱い種が絶滅することで、その生態系全体の弾力性が高まる可能性がある。また逆に、種数が減ることで、生態系がさらなる損傷にうまく対処できなくなる可能性がある。近隣に生息する種の絶滅で入手できるようになった資源を利用するはずの種が、その周りにほとんどいなくなっているからだ。

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