Nature ハイライト

神経:次に移るべき時を知る仕組み

Nature 472, 7343

食べ尽くしつつある餌場をいつ離れて次の餌場探しを再開するかは、進化の歴史を通して、動物にとっての生死にかかわる選択であった。しかし、自然選択がゲノムにどのように働いて、このような行動変化を制御する神経回路を細かく調整してきたのかは、ほとんどわかっていない。今回Bendeskyたちは、線虫(Caenorhabditis elegans)が食物パッチからどの程度早く離れるのかを、いくつかの遺伝子に自然に生じる多型が決定していることを明らかにした。このような遺伝子の1つは、食物を感知するニューロンの膜で発現されるシグナル伝達タンパク質をコードしており、これが体内カテコールアミン濃度に応じて、ニューロンの活性を微調整している。この研究は、このような神経調節物質とその受容体が、動物の行動決定に古くから役割を果たしてきたことを示唆している。

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