今年初めに火星探査機オポチュニティが、赤鉄鉱でできた鉱物の小球体を火星表面で発見したことによって、興奮が走った。なぜならこれらの小球体は、かつて火星で水による侵食があったことの証拠に見えたからだ。この小球体、すなわち「マーブル(ビー玉)」はおそらく、母岩の侵食後に唯一残ったものだろう。これとよく似た地質学的現象が、我々の身近に見られる。ユタ州南部のナバホ砂岩が侵食され風化してできた赤鉄鉱のマーブルがそれで、ちょうど、火星のメリディアニ平原一面に見られるのとそっくりである。M A Chanたちは、ナバホ砂岩の赤鉄鉱団塊(コンクリーション)を詳細に観察した。ユタ州と火星では、D C CatlingがNews and Viewsで説明しているように地球化学的に顕著な差がある。しかし、Chanたちは火星のマーブルが形成される際にも透水性の母岩や地下水流、化学反応面が必要だったのだろうという結論に達することができた。