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Cover Story:ジャガイモゲノム:世界中で食べられている南米原産塊茎作物のDNA塩基配列

Nature 475, 7355

ジャガイモゲノム:世界中で食べられている南米原産塊茎作物のDNA塩基配列
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Credit: C. Robin Buell

食料安全保障に重要な主要作物であるジャガイモのゲノム塩基配列が解読された。「ジャガイモゲノム塩基配列解読コンソーシアム」が、ホモ接合性倍加一倍体のクローンに加えて、ヘテロ接合性二倍体クローンのゲノム配列を明らかにしたのである。ゲノムを解析した結果、ゲノム重複事象が過去に少なくとも2回生じていた痕跡が明らかになり、キク亜綱に特異的な遺伝子が多数発見された。キク亜綱は顕花植物の巨大な分岐群で、ジャガイモはその中でゲノム配列が明らかにされた最初の植物である。遺伝子の存在/非存在を引き起こす変異など、有害となりうる変異が多数生じており、これが近交弱勢の原因となっている可能性がある。このゲノム塩基配列は、収量を増大させ、病害およびストレス抵抗性を向上させるためのジャガイモの遺伝学的改良を促進すると考えられる。ジャガイモは現在、世界の食料生産の重要な構成要素であり、開発途上国ではその重要性が増しつつある(Article p.189)。

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