Nature ハイライト

医学:ROSを介して作用する抗がん化合物

Nature 475, 7355

化合物スクリーニングによって、ピペロングミンという小型分子が、がん細胞を選択的に殺す働きを持つことが明らかになった。ピペロングミンは、がん細胞で活性酸素種(ROS)の濃度上昇により作用する。ピペロングミンは、多数の腫瘍モデルでp53の状態に関係なく、in vivoで抗腫瘍活性を発揮するが、急速に増殖している非腫瘍細胞も含めて、正常な組織には影響しない。この研究から、ROSストレス応答経路を標的として、がん細胞を根絶するという新しい戦略が考えられる。しかしながら、もっと多種類のがんで研究を行い、ピペロングミン感受性を決定する因子を明らかにすることが必要だろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度