Nature ハイライト
環境:草地は二酸化炭素の増加に応答する
Nature 476, 7359
CO2の増加と気温の上昇は、気候変動の原因と結果であるが、植物の生産力に対しては相反する影響を及ぼすと予測されている。つまり、気温上昇は乾燥を促進するが、CO2増加は植物の水利用効率を高めると考えられている。しかし、この2つの影響の相対的な強さについては予測が難しい。今回、温暖化およびCO2増加を実験的に行った研究により、半乾燥草地では、CO2増加の影響が温暖化の影響を完全に打ち消す場合があることが明らかになった。今回の知見は、気候変動の下で乾燥がさらに進行すると予想されている半乾燥地域や季節的乾燥地域に特に関係するもので、CO2増加によって気候変動の乾燥作用が大きく緩和されると予想されるのが、まさにこれらの地域であることを示唆している。
2011年8月11日号の Nature ハイライト
遺伝:アフリカ系アメリカ人のゲノム地図
量子情報科学:マイクロ波によるイオンのマイクロ管理
物性:データ記憶の法則を書き換える
気候:とらえにくいメタン放出源を追跡する
環境:草地は二酸化炭素の増加に応答する
進化:顎口類の優占までの長い道のり
細胞:繊維芽細胞からニューロンを作る
構造生物学:セントロメアのヌクレオソーム