Nature ハイライト

ナノ材料:自己複製で作る世界

Nature 478, 7368

自己複製は生物系では広く見られる現象だが、自身をコピーすることのできる人工系はほとんど見られない。しかし、自己複製は、材料作製においては非常に有用な特性であると思われる。今回、材料作製分野での自己複製に向かう第一段階に当たる結果が報告された。Wangたちは、まず、あらかじめプログラムされたとおりに相補タイルを認識して結合できるDNAタイルモチーフを用いて、7つのタイルからなるシード配列を形成するタイルモチーフを設計した。次に、そのシード配列を用いて、7つのタイルからなる第一世代の相補的娘配列を形成するよう指示した。最後に、その娘配列が、7つのタイルからなる孫娘配列を形成するよう指示した。孫娘配列は、最初のシード配列と同じになる。DNAは無機物質を組織化できるので、この手法を使えば、複雑な材料からなるナノスケール構造体やデバイスをコピーして増やすことができるようになるかもしれない。

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