Nature ハイライト

脳：心の目にうつるもの

2011年10月13日 Nature 478, 7368

外部環境は、神経「地図」上の個々の地点それぞれに関連する海馬場所細胞のネットワークによって脳内に反映されると考えられている。脳内場所表現は、環境の多少の変化に対しては影響されないが、既存地図と感覚入力の差が拡大した際に神経表現が変化する仕組みについてはよくわかっていない。げっ歯類での文脈の「テレポーテーション」をかける実験によって、環境が急激に大きく変化したとき、場所細胞ネットワークの空間表現は、一連の中間状態を経ながら移行するのではなく、過去の環境表現と現在の環境表現を短時間で周期的に繰り返しながら、新しい表現に切り替わることがわかった。