Nature ハイライト

生理:食べ物が恋の滋養になるならば…

Nature 478, 7368

求愛行動は時間とエネルギーの両面で大きなコストがかかる作業であるから、動物は求愛に入る前にまず、気のある相手を見つけたことを確かめておく必要がある。こうした探索作業は、フェロモンによるコミュニケーションを介して行われることが多い。今回R Bentonたちは、ショウジョウバエの雄が定型的な求愛行動に入る際には、十分な食物が近くにあることも必要なことを見いだした。研究チームは、最近発見された化学刺激によって開閉するイオンチャネルファミリーに属するイオンチャネル型受容体84aが、果実由来の芳香族化合物の感知と、定型的な求愛行動を制御するフェロモン感知ニューロン経路のゲート開閉の両方に重要であることを突き止めた。嗅覚回路とフェロモン回路とのこのようなクロストークは、生殖行動と良好な採餌場所および産卵場所とを結びつける、従来知られていなかった進化的機構である。

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