Nature ハイライト
Cover Story:兆しを読みとる:生態系の砂漠化を告げる植生からの警告
Nature 449, 7159
地球の陸地の約40%は乾燥生態系で、そこに住む人口は20億を超えるが、この生態系は気候変動や人間活動の影響を非常に受けやすい。Kéfiたちは、スペイン、モロッコ、ギリシャの地中海性生態系で調べたデータと数値シミュレーションを用いて、植生パッチのサイズ分布がべき乗則に従うことを明らかにした。放牧圧が高まると、砂漠状態への移行が近づくにつれ、パッチサイズがべき乗則から逸脱する。つまりパッチサイズ分布は、砂漠化の危険を早期に示す警告として役立つ可能性がある。表紙は、スペイン、ベルチッテ(Belchite)にあるEl Planerón自然保護区の景観(上段)と、その破壊の状況(下段)を示している(Letter p.213)。もう1つの報告では、Scanlonたちが衛星画像を使って、カラハリ盆地の樹木クラスターのサイズ分布がやはりスケールフリーなべき乗則に従うことを明らかにしている。これは、現存の樹木を囲む望ましい環境がもたらす正のフィードバックによって説明できる(Letterp.209)。News & Views(p.151)では、R Soléがこの2つの研究について論じている。
2007年9月13日号の Nature ハイライト
古生態:気候とネアンデルタール人の消滅
物理:ポジトロニウム分子の生成
発生:マイクロRNAの初期胚での働き
宇宙:赤色巨星にのみ込まれなかった惑星
宇宙:火星の氷床の歴史
気候:二酸化炭素と温度の関連
地球:間欠的に起こった大陸の成長
細胞:不死鎖といってもそう不死でもない?
生化学:植物vs微生物