Nature ハイライト

物理:ポジトロニウム分子の生成

Nature 449, 7159

電子とその反粒子である陽電子が一緒になって、水素に似た準安定原子を作りうることはずっと以前から知られており、この原子はポジトロニウム(Ps)と呼ばれている。2つのPs原子が結合すればポジトロニウム分子(Ps2)ができる可能性があると考えられたが、この分子はこれまで明確に観測されたことはなかった。今回、陽電子の強いバーストを多孔質シリカ薄膜に注入することによって、Ps2が孔の内部の表面で生成された。一層強い陽電子源を用いれば、Ps2分子のボーズ・ アインシュタイン凝縮体を作れるかもしれない。これは、基礎科学の分野において非常に重要なだけではなく、対消滅γ線レーザーの実現に向けた重要な出来事になるだろう。

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