Nature ハイライト

古生態:気候とネアンデルタール人の消滅

Nature 449, 7159

石器時代の出来事を当時の気候状況に当てはめようという試みは、放射性炭素年代での21,000年より前の年代を暦年代に較正するのが難しいことや、気候上の出来事を年代順に並べられる「基準」年表がないことに妨げられて進んでいない。しかし、この問題をうまく切り抜ける方法がある。カリアコ海盆の深海から得られた非常に良質な記録によって、放射性炭素年代を古気候に相関させることができるのである。この方法を使えば、ヨーロッパにおけるネアンデルタール人の消滅が、既知の気候事象と関連づけられる。この解析法を、ジブラルタルの「ゴーラムの洞窟」(Gorham's Cave)で見つかったネアンデルタール人の人工遺物に関する測定年代に適用したところ、ネアンデルタール人は大きな環境変化が始まるまで、その場所で生き残っていた可能性があることが示唆された。

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