Nature ハイライト
地球:大陸衝突が減速する仕組み
Nature 483, 7387
プレート運動を制御する力はプレートテクトニクス理論の基本となっている。一般的に、大陸地殻の変形と厚化は、2つの大陸プレートの衝突を減速させる原因となると考えられている。しかしM Clarkは、インド亜大陸のユーラシア大陸への進入速度が、プレートの衝突以来指数関数的に低下していることを明らかにしており、これはチベット全体の収縮歪みが、衝突の期間を通して一定であったことを示唆している。このことはマントルリソスフェアの変形を反映しており、一定の応力と強度という条件下では、変形する大陸リソスフェアは、地形がどのように進化するかとは関係なしにプレート運動に影響を及ぼす粘性抵抗を生み出すとClarkは推論している。
2012年3月1日号の Nature ハイライト
脳:視覚情報処理の積み上げ
宇宙:地球の照り返しを使って太陽系外惑星を調べる
化学:1つのC–H結合だけを変換する
地球:大陸衝突が減速する仕組み
進化:Y染色体の運命
認知:記憶回路を再配線
生理:生物時計が心臓に影響を与える仕組み
細胞:結腸がん治療の新しい選択肢
構造生物学:カルシウムチャネルの制御