Volume 483 Number 7387

Editorials

テキサス州では、未承認の成体幹細胞治療が行われている。州や企業はFDAの指針を順守すべきだ。

p.5

doi: 10.1038/483005a

希少遺伝性疾患の研究の進歩は、“外れ値”の医学的有用性をよく示している。

p.5

doi: 10.1038/483005b

カナダ政府は、科学者がもっと自由にメディアに話せるよう、締め付けを緩めるべきだ。

p.6

doi: 10.1038/483006a

News

テキサス州では、証明されていない手順による幹細胞治療が行われており、科学者から懸念の声が。

p.13

doi: 10.1038/483013a

欧州の構造生物学界が協力体制を作り、高性能機器や技術などの研究資源を共有へ。

p.15

doi: 10.1038/483015b

卵母細胞へ分化する幹細胞が卵巣から見つかり、不妊治療および高齢出産に新たな道が開ける可能性が。

Egg-making stem cells found in adult ovaries p.16

doi: 10.1038/483016a

超光速ニュートリノの発見は、装置の不備による計測の誤りの恐れが。

p.17

doi: 10.1038/483017a

米国の新しいバイオセキュリティー研究機関建設計画が、リスクの再検討により中断へ。

p.18

doi: 10.1038/483018a

米国の財政引き締めが、疾病の予防、監視計画を脅かしている。

p.19

doi: 10.1038/483019a

News Features

健康:単純明快なゲノミクス

p.20

独自の生活様式を堅持するアーミッシュ、メノナイトの人々を診るペンシルベニア州の子どもクリニックは、オーダーメイド医療の1つのモデルになるかもしれない。

doi: 10.1038/483020a

神経科学:さあ、ゲーム本番!

p.24

テレビゲームによる脳トレーニングが統合失調症の治療に役立つと信じ、活用を訴える研究者がいる。

doi: 10.1038/483024a

News & Views

フォーラム:惑星科学:生物存在の痕跡を求めて

p.38

地球によって反射される太陽光の強度と偏光の解析によって、地球に存在する生命体の痕跡がどういうものかが明らかにされた。これと同じような測定による太陽系外惑星の生命体の探索には、どんな展望が考えられるのだろうか。惑星科学の研究者たちが、いくつかの見解を述べている。

doi: 10.1038/483038a

社会科学:おどしか、すかしか?

p.39

報酬あるいは罰を示唆することで、他人を協力させられる場合があるが、どちらにしても実行するにはコストがかかる。理論的研究から、グループ活動への参加が任意である場合には、非協力的な行動を罰するのが、よりコストのかからない方法であることがわかった。

doi: 10.1038/483039a

古植物学:最古の森林の下で

p.41

3億9千万年にわたって堆積物の下に保存されてきた大規模な土壌表面が発掘され、植物の遺物が見つかった。これによって世界で最古の森林は、従来考えられていたより複雑であることが明らかになってきた。

doi: 10.1038/483041a

触媒:変装して反応を進める

Catalysis: Disguise gets a reaction p.42

有機分子はどんなものであれ、多数の炭素–水素結合を含んでいるので、結合を1つだけ選んで反応させることは非常に難しい。一般的な化学基をおとりとして使うことが、この問題の解決法の1つとなるとわかった。

doi: 10.1038/483042a

マイクロ流体力学:薬剤スクリーニングをアナログからデジタルへ

p.43

化合物ライブラリーから生物活性を持つものを探し出すための現在のスクリーニング法は、かなり手間と時間がかかり、不正確でもある。1つの化合物の溶液の流れを分割して液滴にする方法は、急速な進歩につながりそうだ。

doi: 10.1038/483043a

トランスレーショナル医学:耐性の下ごしらえ

p.44

黒色腫の治療薬は、同じような原因変異を持つ結腸直腸がんには有効でない。細胞がどのようにしてこの薬剤に適応していくのかが調べられて、耐性の仕組みが明らかになり、併用療法の方が有効性が高いことが示唆された。

doi: 10.1038/483044a

Articles

脳:視覚皮質回路中の第6層によるゲイン調節

Gain control by layer six in cortical circuits of vision p.47

doi: 10.1038/nature10835

生化学:病原性ナイセリアによる鉄の横取りの構造基盤

Structural basis for iron piracy by pathogenic Neisseria p.53

doi: 10.1038/nature10823

細胞:SUMO修飾されたPCNAの認識にはSrs2中の縦列受容体モチーフが必要である

Recognition of SUMO-modified PCNA requires tandem receptor motifs in Srs2 p.59

doi: 10.1038/nature10883

Letters

宇宙:地球照の分光偏光分析によって明らかにされる生命の痕跡

Biosignatures as revealed by spectropolarimetry of Earthshine p.64

doi: 10.1038/nature10778

物性:鉄カルコゲナイドにおける超伝導の48ケルビンでの再出現

Re-emerging superconductivity at 48 kelvin in iron chalcogenides p.67

doi: 10.1038/nature10813

化学:活性化されていない1級C–H結合の、アルコールによって制御される触媒的官能基化

Catalytic functionalization of unactivated primary C–H bonds directed by an alcohol p.70

doi: 10.1038/nature10785

地球:大陸衝突の減速は粘性的なマントルリソスフェアによるもので、地形によるものではない

Continental collision slowing due to viscous mantle lithosphere rather than topography p.74

doi: 10.1038/nature10848

古生物:ギルボアのデボン紀中期の化石林で発見された意外なほど複雑な群落

Surprisingly complex community discovered in the mid-Devonian fossil forest at Gilboa p.78

doi: 10.1038/nature10819

進化:ヒトとアカゲザルのY染色体では、急激な消失が起こった後の遺伝子は進化的に厳重に保存されている

Strict evolutionary conservation followed rapid gene loss on human and rhesus Y chromosomes p.82

doi: 10.1038/nature10843

脳:恐怖条件付けとその消退が樹状突起棘の再構築に及ぼす相反的影響

Opposite effects of fear conditioning and extinction on dendritic spine remodelling p.87

doi: 10.1038/nature10792

認知:反復的運動学習は、in vivoでの樹状突起棘クラスターの協調的形成を誘導する

Repetitive motor learning induces coordinated formation of clustered dendritic spines in vivo p.92

doi: 10.1038/nature10844

生理:概日リズムが心臓の再分極と不整脈原性を制御する

Circadian rhythms govern cardiac repolarization and arrhythmogenesis p.96

doi: 10.1038/nature10852

細胞:結腸がんのBRAF(V600E)阻害への不応答はEGFRのフィードバック活性化を介して生じる

Unresponsiveness of colon cancer to BRAF(V600E) inhibition through feedback activation of EGFR p.100

doi: 10.1038/nature10868

細胞:シャペロンRtt106によるH3K56アセチル化ヒストンH3–H4の認識の構造基盤

Structural basis for recognition of H3K56-acetylated histone H3–H4 by the chaperone Rtt106 p.104

doi: 10.1038/nature10861

構造生物学:イノシトール三リン酸とリアノジン受容体における重要なドメインの構造と機能の保存

Structural and functional conservation of key domains in InsP3 and ryanodine receptors p.108

doi: 10.1038/nature10751

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