Nature ハイライト
進化:恐竜もノミに悩まされていた?
Nature 483, 7388
ノミ類は、寄生昆虫や疾患媒介動物としてよく知られているが、その系統学的な類縁関係ははっきりしていない。その理由は、哺乳類や鳥類の血を吸うように適応して高度に特殊化した形態のせいだけではない。ノミ類は、シリアゲムシ類に近いのではないかと長い間考えられてきたが、ノミ類の化石はすべて現生の科に属するものであるため、シリアゲムシ類と現生ノミ類の間の形態的移行が謎となっていた。今回、恐竜時代の古いノミ類の化石が発見されたことで、状況が変わりそうだ。これらの化石昆虫は跳躍するための脚を持たず、シリアゲムシの祖先の形質を複数備えている。また体が大きく、体長が2 cmを超えるものもある。このような巨大なノミ類は、羽毛を持つ恐竜の外皮を利用するように進化したのかもしれない。
2012年3月8日号の Nature ハイライト
遺伝:ヒト科で4番目に解読されたゴリラゲノム
生理:力を感知するピエゾイオンチャネル
計測:分子の動きに追いつく
地球:堆積層中の炭素と鉄の存在との関連
進化:恐竜もノミに悩まされていた?
医学:脳卒中後の脳損傷を軽減
細胞:サーチュインの雄特異的作用
神経:認知機能低下に待ったをかける
免疫:皮膚免疫を与えるT細胞