Nature ハイライト

計測:分子の動きに追いつく

Nature 483, 7388

分子の画像化、つまり分子内の原子の位置を決定することは、物理学や化学、生物学における重要な技術である。しかし、最近の技術開発では、単なる構造決定にとどまらず、構造変化を起こしつつある生体分子や凝縮相系の超高速スナップショットを撮ることまで可能になるかもしれない。その1つに、レーザーイオン化によるコヒーレント電子波束の放出を利用して親分子構造を自己解析する方法がある。今回、Blagaたちは、このレーザー誘起電子線回折(LIED)法を用いて、イオン化に対する酸素分子と窒素分子の構造応答をマッピングしている。約5フェムト秒の時間間隔で起こる酸素結合長の0.1オングストロームの変化を測定することによって、LIEDがこれまでにない時間および空間分解能で気相分子を画像化するのに有望な方法であることが実証された。

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