Nature ハイライト

物理:集団運動の物理学

Nature 483, 7390

自発的な集団運動は、動物の行動から細胞の動態まで、多くの科学分野で関心を集めている。基質に結合した分子モーターによってATPの存在下でタンパク質フィラメントを駆動する系を用いて運動アッセイを行えば、基本的な物理的原理を調べることができる。住野豊(愛知教育大学)たちは、基質表面に結合したダイニンによって微小管を駆動する実験を行い、微小管が自己組織化して大きなスケールの渦を作るのを観察している。この過程は、1本の微小管の滑らかな動きと局所的な相互作用(衝突に伴って、高い確率で整列する)のみに基づく、意外なくらい単純な数理モデルで説明できる。この研究は、生体系と関連している可能性があるだけでなく、集団運動やアクティブマター現象の新しい普遍性クラスの存在を示唆している。

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