Nature ハイライト
物理:反物質の分光研究に向けて
Nature 483, 7390
CERNの反陽子減速器を使って行われているALPHA実験の目的は、水素原子と反水素原子のスペクトルの比較、つまり物質原子と反物質原子のスペクトルの精密な比較である。この比較によって、CPT(荷電共役、パリティ、時間反転)対称性、すなわち素粒子物理学の標準模型の基礎部分が検証可能になると考えられている。今回、この目標への最初の一歩が報告された。原理証明実験において、ALPHAチームは低温の反水素原子を磁気的にトラップし、共鳴マイクロ波放射との相互作用を観測した。さらに、マイクロ波によって放出された反水素原子の対消滅を直接検出した結果も報告されている。
2012年3月22日号の Nature ハイライト
生化学:インフルエンザウイルスの擬態
細胞:クロマチン形成と岡崎フラグメント合成
物理:反物質の分光研究に向けて
物理:集団運動の物理学
進化:ハナアブ類の擬態が不完全な理由
神経:網膜ネットワークの作り方
医学:イソクエン酸脱水素酵素の変異によるがんの誘発
構造生物学:コレラ病原体のヌクレオシド輸送体の構造
細胞:硫化水素を寄せ付けないようにする