Nature ハイライト

Cover Story:銀粒子の働き:金属ナノ粒子が量子サイズ領域で示す輝き

Nature 483, 7390

Kate Nicholsの作品「Through the Looking Glass」。
Kate Nicholsの作品「Through the Looking Glass」。 | 拡大する

Credit : Kate Nichols. Through the Looking Glass 1, silver nanoparticles on glass, 24" x 45", 2011. In situ at The Leonardo Museum, Salt Lake City.

表紙は、TED(Technology Entertainment Design)フェローであるKate Nicholsが製作した大規模なガラス芸術作品、「Through the Looking Glass」の細部を示している。この作品は、銀ナノ粒子を「塗料」として使っていて、その色は金属粒子中の電子の振動、つまり局在表面プラズモン共鳴によって生じている。このような粒子が持つプラズモニック特性は、画像化、センシング、再生可能エネルギー技術などのさまざまな分野で関心を集めている。しかし、多くの自然系や人工系に最も大きなかかわりを持つのは、直径10 nm未満の微小粒子のほうだろう。粒子が小さくなって量子領域に近づくにつれて、プラズモニック特性の変化に関する知識はあいまいになってきている。今回、J Schollたちは、量子サイズ領域の銀ナノ粒子1つ1つが持つプラズモニック特性について調べている。電子顕微鏡法と分光法を用いて、直径20 nmから2 nm未満の粒子について、粒子が示すプラズモン共鳴とサイズ・形状とが相関付けられた。この研究結果は、微小金属ナノ球が量子力学的性質を持つことを実証しており、触媒活性ナノ粒子や生体関連ナノ粒子へ直接適用することができる。(Article p. 421; N&V p. 417)

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