Nature ハイライト

Cover Story:トマトのゲノム:料理用の中心品種とそれに最も近縁の南米産野生種のゲノム塩基配列を解読

Nature 485, 7400

トマト(Solanum lycopersicum)は世界の主要作物の1つで、顕花植物類ナス科のモデル植物でもあり、果実の生物学研究や病害抵抗性の研究に広く用いられている。栽培種のトマト(Heinz 1706)の高精度ゲノム塩基配列が解読され、同時に、それに最も近い野生種で「カラントトマト」と呼ばれるSolanum pimpinellifoliumの概要配列も解読された。比較ゲノミクスによって、この2種のトマトの間の差異はわずか0.6%だが、昨年配列が解読されたジャガイモ(Solanum tuberosum)とは8%を超える差異があることが明らかになった。トマトとS. pimpinellifoliumのゲノム配列には、遺伝的多様性を狭めることになったボトルネック(アメリカ大陸での栽培種化、16世紀に数種類の遺伝子型だけが欧州に持ち込まれたこと、数百年にわたる集中的育種)の記録が残されている。(Letter p.635)

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