Nature ハイライト
物理:とらえにくい準粒子を観測する
Nature 485, 7400
強い斥力相互作用を持つフェルミ気体の準安定状態は基本的な関心が持たれているが、そのような系は、崩壊に対して本質的に不安定であるため、実現するのは非常に難しい。今回、2つの研究グループがこの障害を乗り越えて、理論的に予測されていた斥力フェルミポーラロンを検出したことを報告している。Kohstallたちは、リチウム原子のフェルミ海と共鳴相互作用する極低温カリウム不純物の三次元系について調べた。こうした相互作用が持つ性質によって斥力領域が安定となり、長寿命で準安定な斥力ポーラロンが検出された。Koschorreckたちは、カリウム原子の二次元スピン不均衡フェルミ気体における引力フェルミポーラロンと斥力フェルミポーラロンの両方を調べ、ペアリング転移を示す証拠を見いだした。これら2つの研究から得られた結果は、強磁性量子相のような極低温フェルミオン原子のエキゾチック状態の生成を期待させるものだ。
2012年5月31日号の Nature ハイライト
再生医学:マウスでの心臓組織の再生
再生医学:in vivoでの細胞の再プログラム化で心臓を修復
物理:とらえにくい準粒子を観測する
ナノテクノロジー:DNAモザイクの設計と自己集合形成
地球:プレートテクトニクスの時計が動き出したとき
進化:鳥類の新種のカラーコード
脳:脳の発達に神経活動が果たす役割
細胞:正常幹細胞とがん幹細胞を結びつける免疫受容体
細胞:腫瘍細胞を支援する機構