Nature ハイライト
ナノテクノロジー:DNAモザイクの設計と自己集合形成
Nature 485, 7400
DNAのプログラムされた自己集合は、ナノメートルサイズの構造体を作り出すのに幅広く利用されている。モジュール法は簡便で汎用性が期待できるが、この方法で短いストランドを多数集合させて所定の複雑な形状を作ることは容易でない。今回P Yinたちは、分子キャンバスを設計することで、この問題を克服している。この分子キャンバスは、一本鎖タイルを自己集合させて作った長方形の構造体である。各タイルは、42塩基からなる独特な短いDNA鎖を折りたたんで3 nm×7 nmの構造体としたもので、隣り合う4つのタイルと結合する。キャンバスに描かれた目的の形状を作るには、この形状に相当するピクセルのDNA鎖を混ぜ合わせ、それ以外の「オフ」ピクセルのDNA鎖を除けばよい。310ピクセルのキャンバス用のDNA鎖のマスター・コレクションを用いて、100種類を超える複雑な二次元形状が作り出されており、短い合成DNA鎖を集合させて複雑なDNAナノ構造体を形成する簡単でロバストなモジュール構想が確立された。
2012年5月31日号の Nature ハイライト
再生医学:マウスでの心臓組織の再生
再生医学:in vivoでの細胞の再プログラム化で心臓を修復
物理:とらえにくい準粒子を観測する
ナノテクノロジー:DNAモザイクの設計と自己集合形成
地球:プレートテクトニクスの時計が動き出したとき
進化:鳥類の新種のカラーコード
脳:脳の発達に神経活動が果たす役割
細胞:正常幹細胞とがん幹細胞を結びつける免疫受容体
細胞:腫瘍細胞を支援する機構