Nature ハイライト

Cover Story:選挙運動で実験: 投票日の影響の調査で、親密な付き合いはFacebookでのつながりに勝ることがわかった

Nature 489, 7415

オンラインソーシャルネットワークは至るところに広がってきた。それらは、社会の発展の仕方に影響を与えているはずだが、その確実な証拠は乏しい。例えば、オンライン上で結ばれた友情と、対面したことで結ばれる友情が持つ、社会変化の推進役としての相対的な有効性についてはわかっていない。J Fowlerたちは、人間を対象としてこれまでに行われた中で最大規模と考えられる実験で、2010年の米国大統領選挙投票日に、Facebookの6,100万人のユーザーに対して、無作為に割り当てたメッセージを送達し、公表されている記録を用いて、その後の行動をオンラインとオフラインの両方で追跡した。その結果は、このメッセージが数百万人の政治的コミュニケーション、情報検索および投票行動に影響を与えたことを示している。社会的メッセージは情報メッセージよりも大きな影響力があり、「弱い絆」は「強い絆」に比べて、社会的ネットワークを介して行動を広げる確率がずっと低いことがわかった。したがって、オンライン動員は、主に強い絆のネットワークを介して機能する。こういった絆は本来オフラインのものであるが、オンラインにも見られる場合がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度